「母乳だと楽でいいね」と言われました。

母乳だと楽でいいね
[su_box title=”Q.「母乳だと楽でいいね」と言われました。” box_color=”#fd7e89″]現在、ミルクと混合で育てています。ミルクは一度飲ませてしまうと時間を空けないといけませんし、母乳はそこまでたくさん出ることも無いのですぐ泣いてしまいます。逆に多すぎて困る方もいらっしゃると思いますし、実際、どちらがどうということは無いのかと思いますが、お互いのメリットやデメリットについてどう思われますか?[/su_box]

『母乳』と『ミルク』、どちらも赤ちゃんにとって欠かせない大切なものなのに、お母さんたちにとってはいろいろなプレッシャーになったり、コンプレックスになったり、という難しい問題を常に抱えているテーマです。
未だに医療関係者にも完全母乳にこだわって指導をしているプロもいらっしゃいますが、それによって育児に励むお母さんが悩むというのは、勿体ないことではないでしょうか。

母乳も大変

母乳も大変
『母乳だから楽』、『母乳だから大変』、また『ミルクだから楽』、『ミルクだから大変』というのは大変安易なカテゴライズです。
母乳はお母さんの血液です。
妊娠期間に引き続き、まさに身を削って赤ちゃんに栄養を与えるという大仕事なのです。
食事や生活の管理・改善には神経を使いますし、場合によっては好きなものも食べられません。
そして、まず母乳が出るか否か、という最初の問題があります。初めてのお子さんで「おっぱいは、赤ちゃんを産んだら当たり前に出るものだと思っていた」という人にはショックを受けるかもしれないほどに、出産直後には苦労することが多いのです。体質や生活の状況にも影響を受けますし、セルフケアやプロによるマッサージなど、まさに血のにじむような努力をするお母さんは沢山いらっしゃいます。

また、そんな苦労の末にやっと出るようになった母乳も、ミルクに比べるとそれほど腹持ちがしないのか、夜中に起こされることが多い傾向にあります。そして、その役目は他の誰にも変わってもらうことが出来ません。母乳を冷凍してお父さんや他の家族などに夜中の授乳を頼む、とでも言うのでなければ、断乳までの長い間、お母さんは熟睡する機会も遠のき、体力的に非常に厳しい状況に置かれ、場合によっては張りすぎて搾乳して捨てたり、おっぱいが詰まって乳腺炎で大変な苦痛を味わうことにもなるのです。
しかし、逆にとてもシンプルでもあります。
必要なのはお母さんのおっぱいだけ。
お出かけもマザーズバッグにはおむつと着替え程度で身軽ですし、台所なども哺乳瓶などのグッズが無く、すっきり暮らせることでしょう。
赤ちゃんが泣いたらすぐに飲ませてあげられる気軽さもあります。
しかし、忘れてはいけないのは、その姿の向こう側にある努力と、自分の身体を削るようにして栄養を与えているという事実なのです。

ミルクも大変

ミルクも大変
ミルクは、母乳が出にくいお母さんと、その赤ちゃんの救世主でした。
ミルクが無い時代には乳母があてがわれたり、小さい子がいる他のお母さんの貰い乳をしてしのいだ、という時代もあったのです。
長い間の研究や経験から、今では美味しくて栄養価の高い、バランスの取れたミルクがたくさん作られるようになり、お母さんが母乳を出せなくても赤ちゃんは健康にすくすく育つようになりました。
また、女性の社会進出が進んだことで、母乳で育てにくいという状況も増えてきており、計画的に断乳してミルクに切り替える、というパターンも多くなってきています。
粉ミルクとお湯を用意しておけば、お父さんでも他の家族でも、保育園でもベビーシッターさんでも赤ちゃんに授乳できるというフレキシブルさは大変な魅力です。さらに、一般的に母乳よりも腹持ちが良いという傾向が知られており、夜八時頃に飲ませたら朝までぐっすり眠ってくれる、という親孝行な赤ちゃんが多いようです。
しかし、ミルクにはそれなりの投資と手間が必要になります。
赤ちゃんが成長していけば哺乳瓶のサイズを変えたり、消耗品である乳首を交換したりと、それらを使うたびに消毒するためのセットも必要になります。
粉ミルクそのものも、毎日飲むものであることからかなりな出費となります。また、月齢や体重に応じて適したものを選んでいかなければなりません。アレルギーの傾向などがみられる場合には高価なアレルギー対応のミルクを選ばなければならない、ということもあるのです。
さらに、お出かけの時には必要な授乳のセットを揃え持っていかなければなりません。
最近はミルク用のお湯を分けてくれるお店も増えましたが、必ずそういう場所に行くとは限らないので、必要なお湯まで持ち歩かなければならないのです。

このように、母乳もミルクもどちらも良い面、そうでない面があり、それらは表裏一体といえるでしょう。
どちらも完璧ということは無いのです。
いずれも授乳期のお母さん、は大変で、そのどちらも決して『楽』をしているわけではないのです。
しかしなぜか、母乳とミルクというテーマはお互いをディスりあうような残念な状況が多いような気がします。
それは、例えば『母乳が出なかった自分がミルクで育てているということに関して感じているコンプレックス』だったり、また、『母乳で育てている側から、そういうミルク派のお母さんへのマウンティングのような気持』が根底にあるようにも思えます。
どちらもお母さんも、赤ちゃんに対して一生懸命なら、そして健やかに育っているのであれば、優劣をつけるような問題ではないように感じるのですが、そんなことをにエネルギーを割いてしまうのはもったいないですよね。お互いに、ほんの少しの思いやりと気遣いをもって接していれば、そんな軋轢も減ることでしょう。
赤ちゃんも、お母さんも元気で、笑顔で過ごせることが、何よりも大切なことだと思うのです。

桜華

埼玉県・50歳・女性
息子が二人いて、ちょうど一年半違いで生まれました。一人目の母乳育児中に二人目を妊娠、出産、その後二年以上の授乳を経験しました。二人とも哺乳瓶を受け付けてくれず、母乳オンリーでしたので、家族に預けることもできず大変でした。しかし、今まででもっとも濃密に親子で過ごした時間は、彼らが成長した今となってはそれも家族にとって良い思い出、宝ものです。今もう一度同じことができるのなら、もっとうまく対応してあげられるのに、と思ってしまいます。

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